片付けられない人間に必要なのは、反省ではなく置き場である

帰宅直後、部屋は静かに負けはじめる

帰ってきて、バッグを床に置く。
上着を椅子にかける。
郵便物をテーブルに置く。
この時点で、部屋は静かに負けはじめている。

片付けられない人間に必要なのは、反省ではなく置き場である。
気持ちを入れ替えても、物の住所がなければまた床に落ちる。
床に物を置いた瞬間、部屋は少しだけ倉庫になる。

収納グッズは、物を捕まえる罠である

収納グッズは、部屋を美しくする道具に見える。
でも本当は、物が迷子になる前に捕まえるための罠だ。
すき間収納、吊り下げ収納、収納ボックス、ワゴン、ケーブルボックス、玄関収納。
どれも「ここに置いていい」を作るためにある。

片付けが苦手な人ほど、大きな収納より小さな逃げ場が効く場合がある。
玄関に鍵とマスクの置き場。
ソファ横にリモコンの置き場。
洗面所に詰め替えの置き場。
ケーブルには箱。郵便物には一時避難所。

とりあえずボックスという闇鍋

そういえば、収納でいちばん怖いのは「とりあえずボックス」だ。
最初は救済。
そのうち闇鍋。
開けたら、電池、保証書、謎のネジ、二年前のレシート。
人間の歴史が雑に圧縮されている。

だから、収納を選ぶなら「入る量」だけで見ない。
中が見えるか。
戻しやすいか。
増えすぎたときに処分しやすいか。
掃除の邪魔にならないか。

向いている人、向いていない人

向いているのは、片付けの前に物の置き場が足りていない人。
向いていないのは、収納を増やせば部屋が自動で片付くと思っている人。
収納は増えるほど、物を増やす言い訳にもなる。そこはけっこう手強い。

部屋を完璧にする必要はない。
ただ、床に全部を受け止めさせない。
床は収納家具ではない。
そこを思い出すだけで、生活は少しだけ部屋に戻る。

レコちゃんの探し方メモ

収納・片付けグッズを見るなら、最初に「何をどこで迷子にしているか」を見る。
玄関、洗面所、机まわり、ソファ横、クローゼット前。
場所ごとに小さく置き場を作ると、反省より続きやすい。
収納ボックスは中身の見やすさ、ワゴンは動かしやすさ、吊り下げ収納は重さと取り付け方法を確認。
収納は増やすものではなく、戻す場所を決めるもの。そこを間違えると、箱だけが増える。